韓流ブームが相変わらずだ。音楽では、「KARA」や「少女時代」などK-POPが若者を中心に定着し、ヒットチャートに彼女達の曲が何曲も連なっている。映画の分野でも、現在、新宿ケイズシネマで韓国映画祭が行われるなど、ロマンスものや社会派作品が盛んに配給されるようになった。
韓流の火付け役となったのが、数年前のテレビドラマ『冬のソナタ』であり、
その人気の牽引者となったのが中高年の女性ファンだった。 50~60代の女性たちが、ペ・ヨンジュンを始め、韓国人男性スターに熱を上げ、追っかけまでしている姿は、10代20代の若い娘とそう変わるところがない。むしろ気合いの入り方は上か。
昔の少女たちが子育てを終え、時間的にも精神的にも余裕を得て、忘れかけていたときめきを甦らせている様子は羨ましくも映るが、そうした熟年女性の熱狂の原点、かつての興奮の対象は何だったろうか。一括りにはできまいが、時代的には昭和40年代前半のグループサウンズブームが重なるのではないか。
「グループサウンズ」とは、ウィキペディアによれば寺内タケシの命名によるらしい。ベンチャーズ、ビートルズ、モンキーズなど洋楽バンドに触発され、自ら楽器を演奏しながらそれまでのヒット歌謡と趣きを大きく異にし、ビートの効いたリズミカルなサウンドを生み出した。
最初の本格的なGSヒットは、昭和41年秋、赤のミリタリールックに身を包んだ堺正章、井上順、かまやつひろしらのスパイダースによる『夕陽が泣いている』。次いでワイルドワンズの『想い出の渚』が、爽やかで明るい湘南サウンドの魅力を披露した。その後、続々とGSグループが誕生し、絶頂期を迎える。そのブームは昭和41年の秋から44年春頃までという、短い「祭り」の期間ではあったが、大人たちの苦々しい視線をよそに、若者に長髪ルックとバンドブームをもたらした。
直後に続くフォークブームも、いってみれば「グループ(による)サウンズ」が多く、両者の境界はスタイル的にも楽曲的にもいささか微妙なところがあるが、記憶としてはっきり区別されるのは、そのブームを担った主力ファン層の違い。グループサウンズは若い少女の熱狂が何といっても際立っていた。対するフォークは、70年代カレッジフォークに象徴的なように、一部政治色・メッセージ色も帯びながら、大学生を中心に支持された。
GSグループでは、ジュリーのタイガースを筆頭に、ショーケンのテンプターズ、スパイダースらの人気が高かったが、その中にあって、『ガール・フレンド』でデビューした「オックス」の人気も少女たちに物凄く、このグループのコンサート会場で「失神」「失禁」騒動が頻繁に起こっていたのが語り草となっている。ファンだけでなく、メンバーも演奏しながら失神していたというから、昔の人は熱狂の度合いも半端でなかった。
単なるアイドルグループとしての存在にとどまらず、グループサウンズはオリジナリティーに富んだ本当に多くの名曲を残した。『花の首飾り』『エメラルドの伝説』『君に会いたい』『想い出の渚』『白いサンゴ礁』『長い髪の少女』『あの時君は若かった』『真冬の帰り道』『小さなスナック』などなど、中高年の郷愁の対象となって今も繰り返しテレビで流され、親父バンドで奏でられている。若いアーチストにカバーされたりもする。
ブルーコメッツの『ブルーシャトー』も、レコード大賞受賞曲としてその音楽性を高く評価された。確かに詩情漂い、ハーモニーも頗る美しい。ただ、当時の子供たちには、「森とんかつ、泉にんにく、かーこんにゃく...」という無邪気な替え歌となって口ずさまれていた。
Posted: 3 June 2011
References: グループ・サウンズ|懐かしのGSベスト120
グループサウンズ名曲集
本文に戻る
昭和40年代前半にヒットしたグループサウンズの名曲をリストアップしています。曲名をクリックすると動画や関連情報が表示されます。リクエストをいただければリストに追加します。


